最終更新日:
闇金は完済させる気あるの?|ソフト闇金など返済を終わりにする方法
この記事の監修者
- Duelパートナー法律事務所 代表
正野嘉人弁護士
「闇金に利息の支払いをしているが元本が無くならない」 「完済しようと元本含めたお金を渡すも認めてもらえない」という闇金の被害者は少なくありません。
というより、闇金の顧客は概ね「完済できない」という状況に陥ってしまいます。
この記事では、「闇金業者の借金を完済することは可能なのか?」という疑問と、その対策について解説しています。
もくじ
この記事の監修者

Duelパートナー法律事務所 代表
正野嘉人弁護士
1997年から23年間、闇金業者の殴る蹴るが当たり前の時代から闇金問題を解決してきた弁護士です。2020年現在も、LINE、Twitterを使う闇金業者や、ソフト闇金の問題なども現役で解決しており、日本全国から闇金被害の相談や依頼が寄せられています。ネットを使った詐欺の対応方法にも詳しく、今のネットを使う闇金にも対応しています。
そもそも闇金に完済することは可能なのか?
闇金業者は完済されると困るので完済させない様に誘導します
闇金の儲けは顧客から払われる利息で成り立っています。
例えば、闇金業者は3万円を貸し付け、4万5千円で完済という条件で、「今週は利息だけで良いよ」と利息だけの支払いで完済の期日を先延ばしにする通称「ジャンプ」を勧めます。
上記の場合は、利息が3回振り込まれた時点で闇金業者は1万5千円の利益を得ることになり、その後に支払われる利息は丸々闇金業者の儲けとなります。ヤミ金業者はこの法外な利息で利益を出しています。
闇金業者への完済は難しく、完済が不可能な悪質な業者が増えている
闇金業者は顧客に「完済されたくない」と思っています。
その為、何かしらの理由をつけて、ヤミ金業者は「完済をさせない」「完済を認めない」という対応をすることが多いのです。
闇金弁護士への取材から下記の様な回答も見られます
簡単に言うと闇金の仕事は被害者の方を生かさず殺さず一生お金を巻き上げるのが主たる仕事だからです。
完済扱いせずに利息しか受け付けないケース
顧客が「元金+利息」を振り込むから完済させて欲しいと申し出るも、理由をつけて利息しか受け取らないことがあります。
「事前連絡」が無いことを理由に完済を認めないケース
- 完済をしようとするも、「完済をするには、午前10時までに電話をしなければならない」と言われ、完済を認めてもらえない。
- 次の返済日に、午前10時前に連絡をするも、電話がつながらない。
- もしくは、いつもと違う者が電話窓口に出て、「担当者が今は席を外しているので折り返し電話をかける」と言われるが、その担当者は連絡があったことを認めない。
上記の様な「事前連絡」を理由にした完済拒否も、闇金業者に良く見られる手口です。
完済したのに完済を認めず請求を続けるケース
元本と利息を合わせた完済に必要なお金を振り込んだにも関わらず、完済を認めずに請求を続ける悪質な業者もいます。
闇金業者は平気で約束を破る
最近の(2020年3月)闇金業者は、1万5千円の借り入れに対して10日で3〜4万円程度の支払いを要求してくることが多いです。
そして、闇金業者は「4万円払ったら終り」、「30万円払ったら今までの返済金額も全額返金する」と言った約束を、顧客との間で行うことがあります。
しかし、これらの闇金業者の約束は守られない可能性が圧倒的に高く、指定されたお金を振り込んだ後も何かと理由をつけて金銭を請求されてしまいます。
闇金から提示された「約束」を信じてしまうと、いつまでも終わらない返済に苛まれることになりますので注意が必要です。
闇金を完済する為に、違う闇金から借り入れすると・・
借り入れ | 返済 | |
---|---|---|
闇金A社 | 3万円 | 6万円 |
闇金B社 | 8万円 | 16万円 |
6万円で闇金A社を完済し、2万円を生活費に充てる |
||
闇金C社 | 8万円 | 16万円 |
闇金D社 | 8万円 | 16万円 |
C社、D社から借りた16万円で闇金B社を完済する |
||
闇金E社 | 1万5千円 | 3万円 |
E社から借りたお金を生活費に充てる |
||
残った闇金の借金 | 35万円 |
闇金A社の借金から始まり、たった3万円の借金が1〜2ヶ月程度で35万円になってしまいます。
多くの場合、闇金A社〜E社までが同一のグループ企業であり、A社の支払いが迫る頃にB社から融資の連絡が、B社の支払いが迫る頃にC社からの連絡が・・という様に顧客を同一グループ内で回転させているのです。
この手法は、1990年代後半に登場した「システム金融」と呼ばれる闇金業者の手口であり、今まで続く闇金業者の仕組みのベースとなっています。
闇金業者はグループ間で顧客の名簿を共有しており、返済日や過去の同一グループの闇金からの借り入れ履歴など全てを共有しています。
闇金の借金を完済する為に、別の闇金からお金を借りる行為は闇金被害を拡大させてしまいます。
闇金業者の借金は完済しても開放されない可能性が高い
上記したとおり、闇金業者は基本的に借金を完済させず、例え借金を完済したとしても顧客を解放しようとはしません。
闇金業者に関わってしまった場合、「完済」では無く、「どの様にして闇金業者から離れるか?」を目指すように心がけてください。
闇金から逃れる為の解決方法
闇金対応は、第三者へと嫌がらせが及ぶ前に手を打たなければならないスピード勝負です。
また、闇金業者は顧客が逆らったり、支払いが出来なくなると緊急連絡先である勤務先や家族へと取り立てや嫌がらせを行います。
正面から「法的に無効な借金なので支払わない」などと伝えると闇金の嫌がらせを受ける可能性が高く、かと言ってそのままにしているといつまでも闇金から搾取されてしまうことになり、いずれは支払いが出来なくなってしまい嫌がらせを受けてしまうことになるでしょう。
ダメージを最小に留められるのは、闇金に強い弁護士などの法律家です。
闇金に強い弁護士が介入することで、闇金業者の7割ほどが当日の内に依頼者から手を引いていきます。
なぜなら闇金に詳しい弁護士を敵に回してしまうと警察が本格的に動く可能性が高くなるだけでなく、闇金の使っているスマホや口座も強制解約されてしまうことになるのです。
闇金がつかうスマホや口座は身元が分からないものになっており、調達するのにもコストがかかります。
よって闇金業者は闇金に強い弁護士の関わった被害者にこだわることで営業が出来なくなってしまうという事情から、その被害者から今後お金を取り立てることを諦めるのです。
参考記事:闇金に弁護士が介入したその後、嫌がらせは無い?弁護士に聞いてみた。
闇金対策に警察はどう?
闇金を警察へ相談してどこまで対応して貰える?の記事で解説している様に、個人が警察を動かすのは困難です。
また、警察は顧客の身の安全を守ることが仕事であり顧客の利益や信用、名誉を守ってはくれない傾向があります。
ただし対面式の闇金にありうるのですが、業者が家まで上がり込んできた場合は迷わず110番をされてください。
参考記事:闇金を警察へ相談してどこまで対応して貰える?取り立ては解決する?
まとめ
- 闇金業者は意図的に完済させないことが多い
- 完済したとしても完済を認めずに元利金を取り立てることがある
- たとえ完済したとしても追加の融資を行い付き合いを継続させることもある
- 闇金に強い弁護士が介入した場合、7割以上の闇金業者が当日中にそれ以上の取り立てを諦める
嫌がらせが怖いなどの理由で闇金との関係をついつい支払い続けてしまうかも知れません。
闇金業者は顧客を簡単には手ばなすつもりはなく、いつまでも元利金を取り立てることを考えています。
闇金に強い法律家を介入させることで、闇金業者は取り立てを止めます。この記事を読んだ方が少しでも良い方向に向かうことを願っています。
以上、闇金は完済させる気あるの?|ソフト闇金など返済を終わりにする方法…という内容でした。