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闇金の借りパク行為は危険!踏み倒し前提で関わると生活が出来なくなる
この記事の監修者
- Duelパートナー法律事務所 代表
正野嘉人弁護士
この記事の想定している読者さん
- 闇金からお金を借りて踏み倒しお金を騙し取ろうと考えている方
危険なのでどうかお止めください。またその危険性や理由について詳しくまとめていますので参考にして下さいね。
- 既に闇金からお金を借りてしまい悩んでいる方
この記事の最後(>>こちら)に闇金からの逃れ方について解説しています。参考にして下さいね。
この記事の監修者

Duelパートナー法律事務所 代表
正野嘉人弁護士
1997年から23年間、闇金業者の殴る蹴るが当たり前の時代から闇金問題を解決してきた弁護士です。2020年現在も、LINE、Twitterを使う闇金業者や、ソフト闇金の問題なども現役で解決しており、日本全国から闇金被害の相談や依頼が寄せられています。ネットを使った詐欺の対応方法にも詳しく、今のネットを使う闇金にも対応しています。
もくじ
闇金に対する「借りパク」とは
「借りパク」という言葉は、俗語の一つで人から借りたものをそのまま自分のものにしてしまうことを表します。
闇金業者に対する借りパク行為とは、闇金の借金が法的に無効であることを悪用して、最初から返すつもりも無いにもかかわらず業者からお金を借りて、そのまま借金を踏み倒してしまう行為のことです。
この借りパク行為は、「闇金ウシジマくん」「クロサギ」などの漫画、ドラマで描かれることがあります。
しかし、現実的にはリスクが高く割りに合わない行為であることを認識しておく必要があります。
闇金の借金は元本さえも返済義務が無い
闇金の借金は出資法に違反しており罰則の対象になっているだけでなく、民法708条の不法原因給付にあたり元本さえも返済義務が無いとされております。
この不法原因給付とは、法律を守っていない貸付のことを表しており、この貸付については返還の請求をすることができません。
更に、2008年の最高裁の判決が出てから、闇金から借りたお金は元本さえも返す必要が無いという考えが一般的になっています。
参考記事:闇金には返済義務が無い
重要なことなので何度も書いておきますが、このことを悪用して闇金業者からお金を騙し取ろうとする行為は非常に危険ですのでお止めください。その理由については後述致します。
闇金からの借りパク行為は現実味が無い
借りパク行為を行う者の手口
- 闇金からお金を借りたまま連絡を一切無視して踏み倒す
- 闇金からお金を借りて直ぐに弁護士を介入させて利ざやを得ようとする
闇金からの借りパク行為は上記のいずれかが考えつくのではないでしょうか?
しかし、これらの方法にはそれぞれリスクがあり、とても得をすることは難しく、逆に痛い目に遭う可能性の方が圧倒的に高いのです。
闇金に対しての借りパク行為で得を出来ない理由
まず、今の闇金業者は携帯電話と口座だけで営業をしている090金融が9割を占めています。
闇金業者も見えない相手にお金を貸し付ける訳ですから、貸付前はとても慎重で、簡単にお金騙し取れるほど甘くありません。
闇金業者は住所や勤務先の情報を必ず確認する
闇金業者は貸付前に、必ず顧客の住所と勤務先、親族の住所や勤務先まで確認しています。
これらの情報は、顧客が支払えなくなったり連絡がつかなくなった時に、代わりに取り立てる為に確認しているのです。
借金を返さなかった時の担保として、2020年は裸の写真を最初に送らせている業者もおり、支払えない時にばら撒かれるという被害に遭う方もいます。
この様に、闇金業者は顧客が逃げた時のことを考えて担保となるものを必ず押さえています。
闇金業者は少額しか貸し付けない
2020年の闇金業者はいきなり大金を貸し付けることはありません。
最初は高くても5万円程度の貸付を行い、実際に受け取れる金額は3万5千円程度になることが多いです。
貸付時に手数料という名目でお金を差し引かれるため、受け取った金額は3万5千円であるにも関わらず、5万円借りたということになってしまいます。
闇金業者の嫌がらせ
闇金業者は、顧客が払えなくなったり、連絡が取れなくなると取り立て、嫌がらせを行います。
闇金業者による嫌がらせの内容
- 着信履歴が埋まるほどの電話を本人へ行う
- 近所のコンビニなどに本人の名前でクレームを入れ、謝罪に来させる
- 大量のピザを本人の家に届ける
- 本人の勤務先に何度も電話をかけたりFAXを数百枚送信するなどして回線をパンクさせる
- 親戚の家にも同様の取り立てを行う
勤務先に対して闇金業者から取り立てを行われることで、会社に居られなくなってしまう方も珍しくありません。
参考記事:弁護士が詳しく回答!闇金の取り立て手口は周りを巻き込む!
闇金に対する借りパク行為が成り立たない理由
闇金からお金を騙し取ろうとしても、得をすることはありません。
何故なら、闇金業者から離れる為には弁護士を介入させる必要があり、弁護士の闇金対応の費用の相場は闇金1社につき5万円となっています。そして、闇金業者は最初の貸付では3万円程度しか貸し付けないからです。
それだけでなく、闇金業者と関わることで職を失うことになってしまうと、その損失は計り知れないのではないでしょうか?
最悪の場合、弁護士も味方になってもらえないことがあります
最初からお金を騙し取る目的で闇金業者からお金を借りたことが分かると、依頼を断っている弁護士も居ます。
※当記事を監修してい頂いている正野弁護士もそのような依頼は断っています。
その様なことになってしまうと、闇金からの嫌がらせをいつまでも受け続けることになってしまいます。
その他にも、借りパク行為のリスク
弁護士を入れても解決が難しくなってしまう
通常、闇金問題は闇金対応を専門としている弁護士が介入することで、8割近い闇金業者が当日のうちに依頼者からの取り立てを諦めています。
しかし、最初から返すつもりが無いにも関わらず借りたということが分かると、闇金業者を怒らせてしまうことになり、解決まで長引く可能性があります。
詐欺に問われてしまう可能性がある
たとえ返済義務が法的に認められていない闇金業者だとしても、「最初から返さないつもりで、お金を借りる」という行為自体が詐欺に問われる可能性もあります。
以上のことから、闇金業者からお金を騙し取ってやろうなどと思うと、損失の方が高くつくことがお分かり頂けると思います。
とても危険で取り返しのつかないことになる可能性もありますので、絶対におやめ下さい。
闇金から合法的に縁を切る方法
こちらは、闇金からお金を借りてしまい悩んでいる方に向けた記事になります。
闇金業者は闇金対応に強い弁護士が介入すると離れていきます
既に闇金業者から借金をしてしまった場合は、闇金に強い弁護士や司法書士が介入することで、早ければ即日で取り立てと支払いを停止させることが出来ます。
参考記事:闇金に弁護士が介入したその後、嫌がらせは無い?弁護士に聞いてみた。
闇金1社の解決までにかかる弁護士費用の相場が5万円程度ですが、分割払いや後払いの対応を受け付けている弁護士もいますので、事前に費用の支払いについても相談しておきましょう。
警察では闇金の解決は出来ないの?
警察は個人の闇金問題に対しては動かないことが多いです。
闇金業者もそのことを分かっているので、警察に駆け込んでも嫌がらせをやめないことが多い傾向があります。
参考記事:闇金を警察へ相談してどこまで対応して貰える?取り立ては解決する?
しかし、闇金対応の得意な弁護士が介入すると、警察が本格的に動く可能性が高まります。
その様な事情もあって、闇金に強い弁護士が介入した後、闇金業者は依頼者から離れて闇金融業そのものを守ろうとするわけです。
まとめ
- 闇金に対しての借りパク行為はろくな目に合わないのでお止めください
- 弁護士も借りパク行為だと分かると依頼を断ることがあります
- 闇金から借りてしまい悩んでいる方は堂々と弁護士に相談をして解決を目指しましょう
近年の闇金業者は顔を見せずに営業していることもあって慎重になっています。
また、闇金業者の嫌がらせも陰湿なものになっており、関わるだけでも社会的に大きなダメージを負ってしまいます。
闇金業者に対する借りパク行為はリスクが高く、割りに合わない行為と言えます。
また、すでに闇金業者と関わってしまい悩んでいる方は、闇金に強い弁護士を介入させることで早期の解決が可能です。
以上、闇金の借りパク行為は危険!踏み倒し前提で関わると生活が出来なくなる…という内容でした。