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闇金に払ったお金は元金も返金請求できるって本当?業者の口座残高の分配
この記事の監修者
- Duelパートナー法律事務所 代表
正野嘉人弁護士
この記事では、闇金からお金を取り返すことは出来るのか?というテーマについてまとめています。
現代の闇金業者からお金を取り返すことは極めて難しいのですが、方法が無い訳ではありません。
特に被害額が大きい場合などは、この記事の内容を参考に担当の弁護士に問い合わせてみて下さいね。
もくじ
この記事の監修者

Duelパートナー法律事務所 代表
正野嘉人弁護士
1997年から23年間、闇金業者の殴る蹴るが当たり前の時代から闇金問題を解決してきた弁護士です。2020年現在も、LINE、Twitterを使う闇金業者や、ソフト闇金の問題なども現役で解決しており、日本全国から闇金被害の相談や依頼が寄せられています。ネットを使った詐欺の対応方法にも詳しく、今のネットを使う闇金にも対応しています。
闇金に払ったお金が返ってくる?被害回復分配金について
闇金業者の口座が弁護士や警察の要請によって凍結された際に、業者の口座に残っていたお金を被害者に分配する制度があります。
これは2008年6月から施行された「振り込め詐欺救済法」によるもので、犯罪に使われた口座に残っている残高を、「オレオレ詐欺」「架空請求詐欺」「還付金詐欺」などの被害者に分配することが定められているのです。
この分配金のことを被害回復分配金(ひがいしゃかいふくぶんぱいきん)と呼び、振り込め詐欺だけでなく、闇金の被害者にも適用されます。
また、闇金に対して請求できる金額は、元金も含めた闇金の口座に振り込んだ全額となります。
貸し付けられた金額を引かず、闇金の口座に振り込んだ金額全てを被害額として計上し、返還請求することが出来るのです。
闇金口座から被害回復分配金を受け取る為の条件とは?
- 闇金の口座が弁護士や警察の要請から凍結されること
- 所定の期間内に、手続きを行っていること
- 犯罪利用口座の残高が1000円以上であること
闇金口座からの被害者回復分配金の按分例
被害者 | 被害額 | 口座残金 |
---|---|---|
2名 | 400万円 | 200万円 |
上記のシュミレーションは、2名の被害者が、それぞれ200万円ずつ被害にあっており被害額は合計400万円となります。
この犯罪加害者の口座が警察、もしくは弁護士の要請によって凍結された際に200万円が残っていたという場合を想定したものです。
申請をしていないと被害金額は受け取ることが出来ない
申請を行ったAさんには、被害額の200万円全額が返ってきていますが、申請を行わなかったBさんには返還はされていません。
同じ被害に遭っているのに、申請をしてないだけで返還されないというのは無慈悲な感じがしますね・・・
しかし闇金被害者に対しても同じく、申請をしていなければ被害者回復分配金を受け取ることは出来ないので注意が必要です。
闇金の取り立て支払い停止の為に弁護士を介入させた際に、その担当弁護士にこの被害回復分配金のことを確認しておきましょう。
制度はあるものの、お金を取り返すのは、きわめて難しい
被害回復分配金の制度はあるものの、闇金業者に振り込んだお金の返金を受け取ることはきわめて難しいのが実情です。
何故なら闇金業者は受け取ったお金をすぐに移動させてしまうため、口座が凍結された時点でお金が残っている可能性はとても低くなります。
また、ヤミ金の口座が凍結された時に、口座の中に1000円以上のお金が残っていなければ被害者に対しての分配もできないということも、返還を難しくしている要因になります。
まとめ
- 闇金の口座に残っていたお金を受け取る為の「被害者回復分配金」という制度がある
- しかし、闇金からお金が返ってくる可能性はきわめて低い
- 「被害者回復分配金」を受け取る為には申請をしておく必要がある
闇金業者の口座から被害金額を受け取る為の制度は存在します。
しかし、闇金業者がすぐに受け取ったお金を移動させてしまうことから、実際に被害金額を受け取ることは極めて難しいものになります。
闇金対応を弁護士に依頼する際に、この被害回復分配金について相談だけはしておいて損はないと思われますが、過度な期待はしない方が良いかも知れません。
以上、闇金に払ったお金は元金も返金請求できるって本当?業者の口座残高の分配‥‥という内容でした。