最終更新日:
闇金から逃げることは出来る?夜逃げの問題点と二度と追われない解決方法
- この記事の監修者
- Duelパートナー法律事務所 代表
正野嘉人弁護士
闇金への返済に疲れた・・しかし、闇金への返済が遅れると嫌がらせを受けてしまう。
どうにかして闇金から逃れることは出来ないか・・・闇金の被害者であれば「闇金に返済を続ける苦しい状況から逃げ出したい」と一度は思ったことがあるのではないでしょうか?
この記事では、闇金に対する夜逃げは有効なのか?ということと、闇金から逃れる解決方法を解説しています。
闇金に対して夜逃げは有効なのか?
闇金から逃れる方法として、一度は思いつくのがこの夜逃げです。
夜逃げとは、深夜のうちに荷物をまとめて引っ越してしまうことで、借金や人間関係から逃れようとすることを指します。
夜逃げの問題点その1 闇金からの嫌がらせが勤務先や家族に向かう
闇金からお金を借りた状態で業者が本人と連絡が取れなくなってしまうと、その取り立てや嫌がらせは本人の勤めていた会社や、家族に向かうことになります。
また、2019年現在では、貸付前に顧客に裸の写真を送らせ、支払いが出来なくなると予め確認しておいたLINEの友人リストにその写真をばら撒くという手口がよくみられます。
もし夜逃げをしてしまうと、上記の様な闇金業者の嫌がらせが実行されてしまう恐れがあるのです。
闇金からの「夜逃げ」の問題点その2.住民票
住民票から闇金に引っ越し先の住所がバレることがある
闇金に債務名義があれば、専門家に依頼することで、債務者の住民票を取得することが出来ます。
闇金業者は違法な金融業者なのに、専門家が力を貸してしまうというのでしょうか?
実は、闇金業者が自分が闇金であることを隠していれば、その専門家も断ることが出来ないのです。
住民票には転出先が記載されていますので、闇金はここから債務者の引越し先を調べることができます。
じゃあ、「住民票を移さなければ良いのではないか?」と言いたいところですが、住民票の移動は引越し日から14日以内にしなければなならないと法律で定められており、もし転入届けを行わなかった場合には住民基本台帳法違反により、最高で5万円の罰金が課せられる可能性があります。
また、夜逃げをした先で住民票の移動をしていないと以下の様な状況で住民票>が必要になり、住民票を移動していなければ手続きに問題が生じます。
住民票の移動をしていないと、こんな時に困ります
- 夜逃げした先で新しい仕事につく
- 闇金に知られていない新しい銀行口座を作る
- 子供を学校に通わせる
夜逃げはお金がかかり過ぎる
単身の引っ越し費用
参考サイトSUUMOの相場を参考に算出しています。
引っ越しの条件
- 移動距離・・200km未満(東京駅から静岡市程度)
- 人数・・・・・・1人(単身)
上記の条件における引っ越し費用の相場
通常の時期 | 42068円〜60758円 |
---|---|
繁忙期 | 45822円〜71510円 |
通常の時期 | 42068円〜60758円 |
上記から分かる、単身の引っ越し費用の相場・・・・・およそ5万5千円程度
家賃5万円の物件に住む際にかかる初期費用
火災保険 | 約2万円 |
---|---|
敷金礼金 | 10万円 |
仲介手数料(家賃一ヵ月分) | 5万円 |
家賃 |
5万円 |
保証料 | 約3万円 |
合計 | 約25万円 |
また、新居に入居する際には保証人が必要になりますが、誰か保証人になってくれる方の充てはありますか?
この点も十分に考えておかなければなりません。
夜逃げをすると、お仕事も辞めなければならない
また、夜逃げをする場合、お仕事を辞めてしまわなければなりません。
例えばお給料が月に20万円だとすると、新しい職が見つかるまでの間、その金額が損失となります。
例え1か月でお仕事を見つけられたとしても、−20万円の損失となります。
夜逃げにかかる費用の合計
- 引っ越し費用・・・・・・5万5千円
- 新居入居時の費用・・・・・25万円
- 仕事が出来ない間の損失・・・20万円
- 合計・・・・・・・・・・・約50万円
つまり、
『夜逃げにかかる費用=
引っ越し代+新居の入居費+次の仕事が見つかるまでの給料の損失』
とした場合、夜逃げにかかるコストは安く見積もっても50万円ほどかかるという計算になります。
闇金の借金に夜逃げまでする必要は無い。もっと少ない負担で解決ができる
闇金問題はしっかり対応してもらえる弁護士や司法書士が介入するとほとんどの業者が当日中に取り立てを辞めています。
よほど闇金業者を怒らせていると1週間程度かかることもあり、弁護士介入後の解決までにかかる日数は平均で2.3日という所です。
弁護士の闇金対応の費用の相場
弁護士による闇金対応の費用は、闇金1社につき5万円が相場になっています。
闇金の被害にあったばかりだと、直ぐにお金が支払えないので、闇金対応を受けている事務所であれば、だいたい分割払いや後払いに応じていることが多いです。
約5万円で闇金から解放されることを考えると、夜逃げにかかる費用は負担が大きいと思いませんか?
そもそも、闇金の借金は支払う義務がありません。
闇金の貸付は出資法に違反したもので、罰則の対象になっています。
公序良俗に反する貸付ということからも、法的に無効なものであり支払う必要が無いのです。
2008年に、闇金の借金は元本さえも返済しなくて良いと判決がくだったこともあり、闇金の借金は借りた元本さえも返済する必要が無いとされています。
借りパク行為は行わない様にご注意ください
『闇金から借りたお金は返す必要が無い』という状況を逆手にとって、闇金からお金を騙し取ろうとする方も居ます。
俗称で『借りパク』と呼ばれていますが、「最初から返すつもりが無いにも関わらず借りた」という疑いをかけられると、たとえ弁護士を介入させても解決が難しくなることがあります。
「最初から踏み倒すつもりで借りた」顧客の依頼を断っている法律家も居ますのでご注意下さい。
まとめ
- 闇金に対して夜逃げをすると勤務先や親せきへと被害が拡大する
- 夜逃げは費用がかかり過ぎる
- 闇金問題は闇金対応のできる弁護士を介入させることで早期解決が可能
闇金の借金から逃れることは、難しいことではありません。
なので、夜逃げをすることで、今の生活や職を失う必要は無いのです。
闇金対応の出来る弁護士の中には、無料相談を受け付けている事務所もあります。
闇金の借金に悩んで苦しい思いをしているのなら、まずはその様な弁護士の窓口で相談をしてみてください。
この記事の監修者
Duelパートナー法律事務所 代表
正野嘉人弁護士
1997年から23年間、闇金業者の殴る蹴るが当たり前の時代から闇金問題を解決してきた弁護士です。2020年現在も、LINE、Twitterを使う闇金業者や、ソフト闇金の問題なども現役で解決しており、日本全国から闇金被害の相談や依頼が寄せられています。ネットを使った詐欺の対応方法にも詳しく、今のネットを使う闇金にも対応しています。